このページでは、”何となくメロディーやコード進行の型は出来上がった状態”なのに伴奏が思いつかず手が止まってしまう場合の対策を述べます。
1.改めて使う楽器(音色)を整理
曲を考える途中で使う楽器の種類をある程度決めているなら、”曲のパート毎”にしっかり分けましょう。
例として表で示します。
曲の構成/使う楽器 | ベース | ドラム | ピアノ | アコギ | ストリングス |
1番Aメロ | ○ | △リムのみ | × | × | × |
1番Bメロ | ○ | ○ | × | ○ストローク | × |
1番サビ | ○ | ○ | ○コードベタ打ち | × | ○オブリのみ |
間奏 | ○ | ○ | × | ○ストローク | ○メロディー |
このように、曲の構成と使う楽器の組み合わせを決めて、持っているイメージがあるなら一言も添えておくと作業がはかどります。
演奏や打ち込みの表現方法も併記しておいても良いでしょう。

ラフに楽器編成をメモした例
2.とりあえずリズムだけ入れていく
メロディーに対してどういったコードを当てるか決まっていたとしても、和音か単音か、長い音か短い音か、など悩みだすとキリがありません。
そういう時はドラムのようなリズム隊から当てていくと良いです。
ドラムが使われていないパートでも”どういうリズムでメロディー以外の楽器が鳴るか”を手拍子などでシミュレーションしておきましょう。
Aメロのリズム、サビのリズム、などと分けると作り易いです。
3.ベースを当てていく
ベースとは低音パートを担う楽器の事です。ジャンルによってエレキベースやウッドベース、ストリングスやピアノも担当する場合があります。
メロディーとベースだけあれば十分曲として形になり、コード感も演出できます。
細かいフレーズはまだ思い浮かばなくても、コード進行が決まっているならルート音を鳴らすだけでも良いです。
コードもまだ決まっていないのなら、”鳴らしてみてしっくりくる音”を地道に探しましょう。
ただし”メロディーと常に同じ音”は特別にアクセントを付けたい時以外はやらないでおきましょう。
ベースが細かくなると他の楽器の音を入れるのが難しくなるからです。
4.入れたい音を”鼻歌”で作っていく
ドラムとベース以外の楽器は言ってしまえば”装飾”のようなものです。
楽曲を派手にすると同時に、飽きさせないように曲に変化を付ける役割があります。
最初は何でも混ぜたくなるかもしれませんが、”部分的に入れる”というところから始めてみましょう。
先の表を例にすると、1番Bメロでアコギのストロークが入ってくるという構成です。
Bメロの間ずっとかき鳴らすのか、メロディーの動きに合わせて少ない回数だけ鳴らすのか、など試していきます。
使うコードもローコードなのか、バレーコード、省略コードといった選択があります。
更にドラムやベースのタイミングと合わせるのかずらすのか、といった違いまであります。
一番しっくり来るものを探すのは大変ですが、”鼻歌で口ずさんでみた”鳴らし方が自然だったりしますので、積極的に”楽器のフレーズ”を歌ってみましょう。
5.繋ぎは後付けで構わない
曲の最初から順に作ってもいいですが、行き詰ったら順を飛ばしていきなりサビから作ったりしても良いです。
最終的にバラバラだった構成を繋げていけばいいのです。
ただしどうしても繋がりが不自然と感じる時は”ブリッジ”と呼ばれる物を挟んでしまいましょう。
1小節にも満たない長さの短いフレーズもあれば長いものもあります。
曲が自然に聴こえるように無音を入れたり、(ブレイクと呼ぶ)違うコード進行を増やしたりします。
もちろん自然に繋がっていてもアクセントとして追加する事もありますが、”まず形にする”段階では特に必要ないでしょう。
6.間隔を空けて聴く
メロディーに伴奏が付いて流れも自然にまとまってきたなら、ひとまず完成です。
もう一つやる事は、”1日かそれ以上間隔を空けて聴く”という事です。
出来上がった時は満足しても後で聴いてみると、”客観的に”見える部分が出てきます。
必要ならその都度手直しをしてまた聴きなおしましょう。
そうしていくうちにより完成度の高い”洗練された”楽曲に仕上がっていくはずです。
ただし残せるなら手直しする度にデータを保存しておきましょう。
意外と手直しは1回ぐらいがちょうどよかったりもするのです。