楽器を持って始める5つの手順

楽器を初めて買った人やこれから習おうと思う人、友達や知り合いから譲り受けてとりあえず触ってみたいという人はこのページの手順を踏めば楽器を楽しめる道のりが見えてくるでしょう。

1.とりあえず音を出してみる

どんな楽器でも正しい構え方や効率的な体の動かし方というものがあります。しかしそれらを意識する前にまずはとにかく音を出してみましょう。

何をどうやったら音が鳴るかわからないまま姿勢を覚えたところで意味はありません。その楽器の発音方法、どういった音が出るのかを体で経験してみるのです。

普段よく目にする楽器なら、何となく見よう見真似でも音は出てくれる事でしょう。まだこの時点ではチューニングや押さえるポジションがわからなくても良いです。

2.姿勢を真似てみる

教本等では普通この段階でチューニングを始めましょうという内容が出てきます。しかし音感が養われていない人にとってチューニング程難しいものはありません。

例えデジタルチューナーを使ったとしても間違って弦を切ってしまうなんて事も多いです。その点チューニングの必要性が無い楽器はとっつき易い楽器と言えます。

どちらにせよ正しい音を出す前に、何となくで良いので姿勢も真似してみるのです。ピアノ等は腕が不自然に伸びたり極端に猫背になったりしない限り、普通に座れば椅子の高さの調整程度で楽な姿勢が見つかります。

ギターやベースのように座った時と立った時に持ち方を工夫しないといけない楽器もあります。しかも楽器の大きさと持つ人の体格によって丁度いいバランスの位置は様々です。

なので数人から数十人のプレイヤーを見ましょう。中には個性的な構え方をしている人も居ますが、だいたいは似たような姿勢で弾いているはずです。

ヴァイオリン類や管楽器類、その他古楽器と呼ばれるものは姿勢が崩れると演奏技術の上達を妨げる可能性が高くなる傾向にあります。これはピアノやギターに比べて発音そのものの難易度が高いからです。

ドラムや他のパーカッション類は、叩きたいところに無理無く手なりスティックなりが届けば十分でしょう。

楽器画像

楽器に初めて触るのはちょっとしたイベント

3.音階のある楽器ならまずはドレミを覚える

子供の頃から音楽教育は西洋音楽の基礎を用いています。また普段耳にする歌謡曲などもそのほとんどは西洋音楽の音階を使って表現されています。ドレミファソラシドは聴き馴染みの多い音階なので、どの楽器でも初めにポジションを覚えれば良いです。

もちろん楽器によってはドレミの音階よりも弾き易い音階はありますが、結局いつかは弾く事になる音階なので是非覚えておきましょう。

ドレミファソラシドでも楽器によっては複数のポジション(弾き方)がありますが、教則本などでは一番馴染み易いポジションから示してくれています。

チューニングが必要な楽器はこのポジションを覚えてからでも遅くはありません。いきなりチューナーで合わせてもいいですが、”耳を使って音を捉える”という感覚もいつかは慣れないといけません。

精度は甘くてもいいので、何となくドレミファソラシドのポジションを辿って鳴らしていき、違和感を減らしていきながらチューニングするのも一つの方法です。

4.知っているメロディーなりコード進行なり覚える

いきなり長い曲は難しくて弾けません。ほんの1フレーズ、1コードでもいいです。音を自力で探し当てて覚えてもいいですし、楽譜を見て覚えてもいいです。

打楽器なら一定のリズムを刻むだけでも価値があります。30秒ぐらいでもいいので、止まらずに同じタイミングで叩き続けてみましょう。

自分が知っている音楽を奏でているという経験をした時、楽器の楽しさが初めてわかるものです。最初はぎこちなく音も途切れ途切れで綺麗な響きにならなくても良いので、形にする事を目指してみるのです。

5.効率的な動きを知る

どの楽器でも、理想は最低限の動作で最小限の力加減で無理なく演奏できるようになる事です。特に強弱の表現や、素早いフレーズ、そして一曲を弾ききる体力を保つのは最初は難しいです。

残念ながら効率化は人から教わったり本を読んだりしても、すぐには習得できません。体が動作に慣れていなくてついていけないからです。

しかし”知っているのと知っていない”のとでは練習の質も大きく変わります。楽器の練習はある意味スポーツに近い部分があります。どんなに音感が優れていても、体をコントロール出来ないと良い音は生み出せません。

まずは弾けるフレーズを増やせばいいです。ある程度覚えたら効率化も意識していきましょう。

・弾けない事に悩んだら

曲を練習していくうちに、段々と難易度があがり弾けないパートも出てきます。しかしどんな演奏にしても、結局は”出したい音”を効率的に出す練習をするしかありません。

焦らずに初心に戻って一つ一つの動作をゆっくり丁寧に確認しながら練習するのも大事な事なのです。