音楽教室の選ぶ基準を持つ

習い事を子供の頃に経験しなかった人からすれば、教室に通うという選択はとても勇気のいる選択に感じるでしょう。

実際に教室体験の問い合わせ時も、何も習ったことが無い人は仕組みや流れが想像できないのでかなり不安を抱いている印象です。それでも電話をしてくれている時点で、期待感や向上心が高まっている状態なのでしょう。


・何よりも通いやすさが大事

もし習い事を始めたいと思った時、一番重要なのは通いやすさです。

もちろん音楽以外の習い事も共通する部分ですが、特に楽器などは自己練習の時間が取れるか取れないかでも、教室に行く時の気構えやモチベーションが変わってきます。通いやすさというのは、

  1. アクセスがしやすい距離、場所か
  2. 自分にとって都合のいい時間帯で通えるか、もしくは時間変更などの融通が利きやすいか
  3. 楽器を習う場合は手ぶらでも大丈夫かどうか
  4. 電話やメール連絡の対応が迅速か
  5. 家での練習量によって気負いせずに済むかどうか

という点を確認しておきましょう。

やはり物理的に何度もレッスンをキャンセルしなければいけないという場面があると、金銭的にもモチベーション的にも良くはありません。

講師側からしても次にどのようなレッスンをしていくかという予定が立てにくいので、あまり良い印象を持ってくれなくなります。

教室側からすればレッスンを受けずに月謝を払ってくれるという状況は嬉しい誤算なのかもしれませんが、大きな目で見れば運営の衰退の原因になります。

時間の見通しが立たない状況になってしまったら即刻退会するなりした方がお互いの為です。何年間もレッスンに来ていないのに月謝を振り込み続けている人は意外と多いのです。

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生活スタイルのバランスを崩さないように

・講師と教室の関係性を見る

音楽講師は社会的信用という面で見ればまだまだ低い立場の人になりがちです。特に教室と契約している講師は相応な賃金を得られずに、しかし時間の都合は不自由という状態も少なくありません。

そういった環境ではレッスンの質も落ち、満足感が得られなくなっていくだけではなく、受講生が音楽そのものを飽きてしまうという危険さえあるのです。

待遇面でしっかりした教室なら講師のモチベーションも保たれ生き生きとしたレッスンを受けられる可能性が高くなります。問い合わせ時や体験時に、どういったスタンスの講師がいるかをそれと無しに聞いてみても良いでしょう。

ある程度習ってみて担当講師と顔見知りになればそういった話題もしてみましょう。回答を濁すようなら相応の待遇の可能性が高いです。

個人教室では運営者自らレッスンを行っていますので、各生徒の状況や時間調整、レッスンの方向性をしっかり管理できますし、レッスン料がそのまま収入に繋がりますので常に試行錯誤しています。

もちろん人対人なのでどうしても合う合わないは出てきますので、どういった人物なのかをホームページや問い合わせで調べてみるといいでしょう。

・担当講師の変更があるか無いか

これはレッスンを受ける人からすればメリットもデメリットもあります。基本的には講師が同じ方がレッスンのやり方や今後の方針、好みの話題が共有されるので円滑に受講でき、また無駄な緊張も少なくて済みます。

しかしもし気に入らない人が担当になってしまった場合は苦痛でしかありません。教室のシステム的に変更できるかどうかは習う前にしっかりと確認しておきましょう。

教室によっては講師と生徒が直接連絡を取り合えないところもあります。それなのに急に違う講師が担当になったりする事もあります。

レッスンの進み具合や今までやってきた曲も十分に把握できていない状態でのレッスンは時間とお金の無駄なので、多くの受講生にとっては害でしかありません。楽しいレッスンを提供してくれればそれで十分という人はあまり気にしなくてもいい点ではあります。

・楽器や機材の販促に力を入れすぎていないか

音楽教室によっては物販も行っています。通販や楽器屋に行く手間を省きたい時、どういう製品がオススメかがわからない時は教室で買っても問題はありませんし、講師も喜んでくれる事でしょう。

しかし必要を感じていない製品を薦めてくるところはあまり良い印象を持てません。講師は常に学び続ける事を優先しなければいけないのに、販促に手間をかけているのは儲け主義な体質だからです。

もちろん良い製品は人にも使って欲しいので紹介はしますし、講師も使っているので使用感も生の声が聞けます。しかし講師自身が欲しいと思わない製品、または他で安く手に入る製品を販売するのは教室以外にメリットはありません。

押し売りに弱い人は注意しましょう。特に楽器本体は試奏が出来ないなら通販の方が安く仕入れられるので、わざわざ教室に注文を出す必要はありません。

もし高価な楽器や機材を担当講師から買いたいと考えている場合は、購入時に講師にマージンがあるかどうかも意識しておきましょう。

販売時の取り分が0ならアフターケアの点でも大した仕事はしてくれないか、半端な仕事ぶりになってしまいます。もしその講師が教室運営者や正社員という立場なら購入後もしっかりサポートしてくれる事でしょう。

・しっかりと話を聞いてくれるかどうか

音楽レッスンというものは楽しさと同時に厳しさも付き物です。習いに来る人がプロ級の演奏技術を絶対に身につけたいわけではなく、逆にただ楽しい趣味の時間の提供をして欲しいだけでもありません。

そのバランスを教室や講師が汲み取ってくれるかは通い続ける上で大事な部分なのです。

どれだけ教えるのが上手な講師でも求める事が多すぎるとレッスンがきつく感じますし、楽しさだけを売りにしていてはいつまで経っても上手にはなりません。

受講生がどういう心の持ち方でレッスンを受けているのか、どれくらいの期間習いたいのかをしっかり見極めて対応してくれる講師に出会えれば気持ちよく通い続けられるでしょう。