楽器はシンプルに考えればとっつき易い

楽器を始める時は何かきっかけや思い切りの良さ、憧れやタイミングなんてものが色々絡み合います。

とりあえず趣味を作りたい、音楽と積極的に触れたい、自分の内なるものを表現したい、友達に誘われた、そんな理由もあります。

このページはこれから楽器を始めたい人や始めたての人向けに、いくつかの”考え方”を並べます。


・とりあえず楽器に触れる

楽器を始めたいと思ったその瞬間から、何かしらイメージがあると思います。楽器そのものの形や大きさ、音色や曲の雰囲気、弾けたら楽しそうだとか難しくて諦めそう、等といったものです。

これらのイメージはだいたいが実物を触ったらわかる事です。なので実際に触れれば良いのです。

もちろんいきなり購入する必要はありません。楽器屋に出向けばいいですし、音楽教室も無料体験を行っている場所もあります。

ネットや本だけでも必要な物や値段の相場は十分に調べられますが、やはり直に触れた瞬間の感情だけは得られません。もし触れた時にワクワク出来れば新しい世界の入り口に来たという事です。

・飽きてしまったらという不安

新しい事を始めるのは不安がセットになっています。練習しても上手く弾けずに飽きてしまうかもしれない、そもそも練習そのものが楽しくなかったら、と考えると結局始める機会はやってきません。

なので最初は価格帯の安めの楽器を手にすれば良いです。1年間続けたら1ヶ月当たりの値段はそう高くは無いはずです。

練習が嫌になったら楽器から離れればいいです。私は講師という仕事柄楽器を触らざるを得ない状況がありますが、学生時代は弾きたい時しか弾かないタイプでしたし今もプライベートでは好きな時にしか触りません。

決して誰からも練習の強制などされていません。そんな楽器との付き合い方も悪くないものです。

・始めるからには上達したい

これは誰もが抱く感情ですし、特に習いに来る人は皆同じように思っています。

上達すればするほど楽しくなるのが楽器ですし、同時に達成感だとか承認欲求だとかを満たせるツールにもなり得ます。しかし早いか遅いかは人それぞれですが、必ずどこかで壁にぶつかります。

細かい演奏テクニックや練習方法など楽器によって違うのでここでは割愛するとして、一つだけ意識してみて欲しい事があります。それは”音を出す”ただそれだけです。

正確に言えば”出したい音を出す”という事なのですが、それは全ての楽器や歌に共通する最重要事項なのです。

その”出したい音”が具体的で無ければどういった練習をすればいいのか、どういう体の使い方をマスターすればいいのかが見えてきません。

ただ意識をするだけではテクニックは身に付きません。私は鍵盤も所有していますが、指の感覚や距離感、力加減など全くギターと違うので思い通りに指は動かず、狙ったキーも満足に押さえられません。

しかしメロディーのイメージ=出したい音のイメージがはっきりしたフレーズなら、体に感覚を覚えこませる練習をいくらかすれば十分に形になるものです。

・苦戦する理由は二つだけ

フレーズや曲が弾けない理由はたった二つだけです。先の項目のまとめになりますが、

  1. 出したい音が明確では無いor次に何を弾くのか迷ってしまう
  2. 音を出すための技術が身に付いていない

この二つだけです。

1.の対処の仕方は、しっかりと音の響きや順序、楽器の押さえ方やポジションを”覚える”事です。楽譜を見ながら弾ければ覚える量を減らせますが、それはある程度色々なフレーズを弾けてから出来る事です。

最初は短く簡単なフレーズから覚え、曲も止まらずにイメージできるぐらい覚えるのです。演奏中迷ってしまったら最後、覚えが足りないのです。

2.では体の使い方を反復によって刻むという点と、欲しい音の出し方そのものを理解しておく必要があります。手っ取り早いのは弾ける人に聞く事です。効率的な動きや力加減を知って覚えればいいのです。

難易度の高いフレーズはここが難しい理由です。いくら頭でわかっていても体が付いていかない事は日常でも多くあります。それをこなせるようにするのが練習というものです。

楽譜画像

出す音がはっきりしていない事には明瞭に演奏できない しっかり頭で整理していく

・シンプルな部分が本質

楽器演奏を楽しむ為にはある程度の練習が必要ですが、それだと弾けないとすぐに飽きてしまいます。なので楽器から出てくる”音”そのものを聴きましょう。

音そのものが心地よければ自ずと楽器に触れたくなるので、何となく良い音が出る瞬間もありますし、それが意図的に出来れば十分テクニックの習得と言えます。結局は”音楽”が好きかどうかが大事というわけです。