大半の音楽は自分にとって記憶に残らない”音の塊”にしか過ぎないのですが、中には”自分の生き方に影響を与える程の音楽”や”死ぬまで忘れられない音楽”というものに出会える場合もあります。
そういう音楽に出会えると、時には心を安らいだり癒したり、時には集中力を上げたり自身を鼓舞したり、時には楽しいと感じたり感慨深くなったりするものです。
音楽が無くても人は死ぬことはありません。生きていく上で欠かせないものとは違います。
しかし音楽によって生きるのが楽しくなったり、また過去も現在も音楽との関わりが仕事になるケースがある程なので、それだけ人にとって深い縁で結ばれているのです。良い音楽と出会える事は、人間性を深める人生の味付けにもなります。
・音楽とは
音楽は様々な”音”から成り立っています。狭義では音程や和音から成る響きだとか、リズムや音色の変化だとかを表現した物を音楽と呼んでおり、日常で発生する音そのものは非音楽となります。
広義では音そのものが音楽だと解釈しますが、この考え方は特殊で難しい世界の人たちの考えです。歌謡曲や器楽曲などのように”人が創った”音による表現を音楽と思っておけば間違いはないでしょう。
・記憶に残る音楽
良い音楽は言い換えれば記憶に残る音楽です。何度でも聴きたい、一度聴いただけなのに忘れられない、思い出すだけで感動する、自分でも創ってみたい、聴く側にとってそう思えるのが良い音楽です。
逆に創る側にとっては、どれだけ聴いた人を感動させられるだとか(喜び、悲しみ、恐怖、困惑、等)、どれだけ注目を浴びることが出来るか(宣伝CMやタイアップ作品を盛り上げる)が良い音楽です。
音楽の善し悪しは、細かく分解すればメロディーやコード進行、リズムパターンや音色選び、歌い方や演奏テクニックと言うように分けられますが、一番大事なのは”歌声”や”楽器の音”が自分にとって合っているかどうかです。
心地よくない音、または創った人が意図した通りに聴こえない音は、偶然に違った印象を残す場合もありますが、そのほとんどは駄作でしかなりません。
・良い音や音楽の定義
音そのものは単なる”波”です。空気の振動を鼓膜で感じ取って脳に伝達されたものです。そして音には色々な高さや音色があります。空気の振動する回数や大きさ、仕方が異なるので違って聞こえます。
なので人が”良い音”と感じた音の波形データを分析すればどういう音が”良い音”か見えてきます。しかし”人や状況の数だけ良い音がある”というのが現実です。つまり聴いた人にとって感動するかしないかの差があるという事です。これは経験による影響が大きいからです。
わかりやすいのは映画やドラマ、ゲームのようにストーリーがあるものに付随するBGMです。劇伴音楽とも呼ばれますが、音楽そのものがというよりストーリーの内容に感動した場合、作中使われている音楽にも思い入れが生まれ以後似たような作風の曲や楽器の音色に感動するというものです。
また創作の作品ではなく、自分の経験との関わりも忘れてはいけません。よく流れていて耳にする事の多かった音楽が、実際にその時に置かれていた環境と重なって感情が沸き起こるようになり好きになったり嫌いになったりするというパターンです。
他にも作曲者のバッググラウンドがあるだとか、演奏者の生き様が表現されているだとかありますが、いずれにしても”音”そのものに絶対的な良さは無いというわけです。
・良い音楽の探し方
自分にとって心地いい音楽や合っている音楽は、積極的に探さなくても出会える機会は多いです。もちろん音楽を好きと感じなければ出会う必要も探す必要もありませんが、そうでない人も居るわけです。そんな時どうやって見つければいいかを簡単にご紹介します。
- 人にオススメを聞いてみる
- 出かけている時にたまたま耳に入ってきた音楽に集中する
- 音楽雑誌や楽器関連の本に紹介されているもの、著名人が好きと言っているものを聴く
- 動画投稿サイトなどで片っ端から聴いていく
- 音楽教室に通う
1.は友達や仕事関係の人から理由も含めて聞いてみましょう。3.と5.も人から聞くという意味ではほぼ同じです。もし自分が好きな人や尊敬できる人が居れば良い参考になるでしょう。
2.を実践すればいつも通っている道でも意外と音楽に溢れている事に気付けます。中には興味が出るメロディーもあったりしますので、そんな時は少し立ち止まってみるといいでしょう。もし流れている場所がはっきりわかる場合は、どの曲なのかを尋ねてみて下さい。
4.ネットのおかげで大多数の音楽を聞くことが出来ます。特に思い当たるものが無ければ、その時の感情+音楽と検索してみるのも良いでしょう。
もし1つでも良い音楽に出会えたならそこからまた世界が広がっていきます。すぐに見つかるものではありませんが、長い旅だと思って探す行為も楽しめれば幸せなのかもしれません。