音楽制作ではミキシングという作業があります。
録音した音の配置や音量、音色調整やエフェクトの挿入などを行う事です。
ミキシング一つで曲の”聴こえ方”が変わるのでとても大事な作業ですが、時代と共に求められるサウンドも変化しています。
近年のJPOPの傾向としては、”各楽器がクリアに聴こえる”という印象があります。
特にボーカルに関しては、昔に比べてまるで”間近で歌ってる”ように聴こえるように調整されています。
- 楽曲全体の音圧を上げやすい
- 歌詞やフレーズがはっきりと聴き取れる
- マイクなどの機材の性能が良くなった
という理由で、このような傾向になってきています。
曲を作る側の意図としては、”生の音をそのまま伝えたい”という想いは昔からあります。
機材の発展によってそれが叶ってきているのはとても良いのですが、”音圧が大きすぎる”のは聴き疲れの原因になったり、表現の幅が低下してしまうというデメリットもあります。
そのデメリットがあるにも関わらず音圧を上げるのには理由があります。
音圧が低いと、
- 他の楽曲と比べて迫力が無いと”音負け”している印象になる
- 雑多な環境で音楽鑑賞する人も多く、静かなパートが聴こえない
という不具合が生じてしまうからです。
あまりに”煩い”ミキシングは曲の良さを失いかねませんが、音圧増加のテクニックは必須というのが現実です。
ミキシングで音圧を上げる簡単な方法として、
- リバーブやディレイは極力かけない
- パンニング(音の配置)は広めにする
- 曲全体の中域(500~1000Hz付近)は控えめにしてドンシャリ気味にする
という操作を行うと良いでしょう。
しかし一番大事なのは、”収録した音そのものにどれだけノイズが入っていないか”です。
耳に聴こえないレベルでもノイズが入っていれば音圧はあげられません。
”クリアで迫力あるサウンド”を作るには良い機材と録音環境が必要不可欠なのです。