実際に楽器が演奏出来なくても、データを打ち込み音色を設定してやれば曲が作れてしまうのがDTMの優れた特徴です。
ほとんどの制作ソフトには内臓音源が入っていますし、後付けで音源のバリエーションを増やす事も可能です。
このページではアイデアの引き出しを”音源から”探り曲作りに生かしていくスタイルを紹介します。
1.プリセットをランダムに選んでみる
DAWソフトでは音の素材そのものだけでなく、プリセットとして様々な音色パターンも用意されております。
どんな音が使いたいか、どんな効果が欲しいかが決まっていなくても、とりあえず選んでしまえばそのまま使える物も多いです。
種類によっては特殊なエフェクトがかかっている状態のものもあります。
その音から連想して新しいフレーズの発想に役立てたり、効果音として取り入れるのを色々試してみましょう。
2.音源の設定を変える
プリセットのままでも十分使えますが、音色そのものを加工するのも簡単に操作できるのがDTMの醍醐味です。
曲のイメージが完全に出来上がっているならそれを目指した音作りに時間をかけましょう。
特に、アタック(発音時の速度)とサステイン(減衰音の時間)、レゾナンス(中高域の付加量)の値をいじってみれば、最初に選んだ状態から大きく音が変わります。
ミキシング段階でも”上手く全体に馴染ませる”目的として音色を再加工する事も出来ます。
3.エフェクトの追加
調整の段階でイコライザーやコンプレッサー、空間系のエフェクターを取り入れるのは基本です。
(もちろん必要なければノイズ的にも使わないに越した事はありません。)
他にもギターやベース用のアンプシミュレーター、歪み系やローファイ化のエフェクトを通したりすれば”音を太く”する効果を出せたりします。
特に生楽器系の音素材は”生っぽい”音と”シンセっぽい”音が極端だったりします。
楽曲の方向性で生っぽさが欲しい時は、あえて音の”明瞭度”を下げるエフェクトも活用してみましょう。
4.音源の同時使用
例えばストリングスを選択してそのまま使った場合、何か物足りなさを感じる事は少なくありません。
そんな時はストリングスA(仮称)とストリングスB(仮称)を同時に鳴らし、片方は小さい音量でピッチも若干変更するなどすれば音の”厚み”を増やせます。
パイプオルガンなら僅かにフルートなどを組み合わせると発音時の”空気感”を付加させる事が出来ます。
(元々の音源だけで十分なら下手に組み合わせない方が無難だったりもします。)
どちらのパターンも楽器の”倍音”を付加させるつもりで違う音を選んでみると馴染みが良いです。
・気に入った音色は覚えておく
当サイトでも”今日のワンフレーズ”というコンテンツで非常に単純な音源を載せています。
ある程度方向性を決めてから作る事もあれば、”使った事の無い音源”を選んでみてから得たイメージで作る事もあります。
豊富な音源の中には”良い音”もたくさんあるので、何かしら形に残す癖を付けておけばアイデアの種になってくれる時が来るでしょう。
プリセットだけでなく、自分で加工している段階でも気に入る音は見つかる物なので”宝探し”のような感覚で探していくだけでも十分音楽を楽しめます。