演奏の緊張は避けては通れない道、可能な個人練習方法解説

音楽演奏に限らず、人前に立って視線を浴びれば誰もが緊張してしまうものです。

特に楽器演奏となると普段の練習の60%でも出せれば上出来と言ったところです。

必要以上に緊張しない為には”場馴れ”と”心持ち”しかありませんが、一人でも擬似的に訓練できます。


・何はともあれ練習

緊張を一番和らげてくれるのは”絶対的な練習量”です。

普段なら簡単に弾ける曲でも、緊張すれば指が震えたり力加減が弱々しくなってしまいます。

「十分に練習した」という事実と確信を持っているだけでも、気持ち的に気負いしにくくなります。

演奏に納得できる程の技術が身についていても「まだまだ練習が足りていない」、と思い込みすぎずに注意しましょう。

「自分の音を聴いて心地良くなれる」領域まで達すれば自信を持って構わないのです。

・緊張する状況作り

常に誰かの前で演奏するという状況があれば、だんだんと慣れて緊張しにくくなります。

しかし普段よりも大勢の前になったりすれば失敗してしまっても不思議じゃありません。

自分一人でもある程度”状況作り”が出来るので活用しましょう。

演奏会場画像

・全くの無音で演奏

ピアノなど持ち運びが大変な楽器では厳しいですが、全く人が居ない場所でなおかつ極力”無音”の環境で演奏しましょう。

そうすればわずかなミスタッチにも過敏になりますが、神経質にならず堂々と弾けるように慣れます。

普段から静かな場所で練習できている人は、その逆に雑多な音に気をそらされないように、テレビやラジオが付いていても集中できるようにしておきます。

・部屋の明るさも適度な範囲で調節

発表会の会場などは照明が客席と舞台で極端にわかれてますし、バーなどのお店は薄暗い明かりになっていたりします。

ライブでは視覚的な演出もありますので、目から入ってくる情報はあまり信用できません。

楽譜や手元を凝視して演奏する場合は特に、”見えにくさ”に慣れておかなければなりません。

その為にはわざと暗い部屋で練習したり、PCなどのモニター光だけで練習する方法があります。

視覚に頼りすぎずに演奏できるのが一番の目的なので、目が悪くならないように控えめで行います。

メガネやコンタクトを使っている人は裸眼で弾くのも案外難しいので、やってみる価値は十分あります。

・録音と録画は基本中の基本

個人練習で最も緊張するのが”録音と録画”です。

演奏分析して上達するためにも欠かせませんが、同時に”緊張に慣れる”という面でも大いに役立ちます。

もちろん録りなおしが出来るので人前よりは気楽ですが、「一日に3回までしか録らない」「練習せずいきなり録る」と言った制約を付ければ緊張が増します。

その条件でもほぼミスなく弾き通せる曲なら、自信を持ってレパートリーに入っている曲と言えるでしょう。

また自分だけでは無く、誰かに見せるという名目で録画すればより緊張は高まります。

・いきなりの人前はそれでも失敗する

いくら一人で緊張対策を施しても、たった一人にでも「聴かれている」という状況はとてもプレッシャーに感じるものです。

ミスしても最後まで演奏を聴いてくれる知り合いに聴いてもらうのが、一番慣れる近道です。

また失敗からの”立ち直り”も経験しておけばより緊張を解すための材料になってくれるのです。