リズムキープの為の5ステップ、楽しいという感覚が得られる練習

音楽を奏でる時に苦労するのが”リズムキープ”です。

心地良いと感じる音楽の大半にはリズムがありますが、演奏するとなると思うように維持できません。

機械ほど正確でないにしても、意図した通りのリズムをコントロールできれば聴く側も奏でる側もとても気持ちよいものです。

このページでは、ある程度の演奏技術や歌唱力を得られた段階でのリズムキープ練習方法を解説していきます。

まだ曲やフレーズの演奏に慣れていなくても、手拍子だけでも出来る練習です。


・用意するものはメトロノームと録音機材

正確無比な演奏じゃなくても”良い音楽”はたくさんありますが、けっしてリズムをないがしろにしていいわけではありません。

なのでメトロノーム(もしくはリズムマシーン)を使っての練習は必要ですが、同時に録音機材も使います。

本格的な音楽用の機材でなくてもスマホ(ガラケー)やPCがあれば簡単な録音は可能です。

1.メトロノームの音を”掻き消す”

まず基本的なリズム維持の練習として、メトロノームのタイミングに合わせて楽器や声を出します。

この時同時に録音もしておけばより効果的です。

メトロノームの音を聴いてから発音すると確実にリズムが遅れて(モタって)しまいます。

逆に演奏に集中しすぎるとリズムが早まって(ハシって)しまう場合が多いです。

リズムに”乗れた”時、まるでメトロノームの音が鳴っていないように録音できているはずです。

(発音する音の種類や音量差で聞こえ方は異なります。)

この状態をなるべく多くのテンポで出来るようになれば維持力は上がっている証拠です。

2.メトロノーム無しで録音とアンサンブル

ある程度リズム維持に慣れてきたら、自分のリズム感だけを頼りにして演奏し録音します。

聴いてみて違和感が無ければ、今度は録音した演奏を再生しながら全く同じように演奏します。

音が”完全に一致”していればリズムだけでなく音色や力加減も再現できている証拠です。

難しいフレーズは単純に”弾けているか”のチェックにも使える方法です。

再生音を聴いて演奏するとやはりモタってしまいますので、リズムに”乗る”という意識を忘れないように練習しましょう。

録音画像

3.ハモリ音でのアンサンブル

全く同じ音だとすぐに飽きてしまうので練習に楽しさを加えると良いです。その一つがハモリです。

少し音楽的な知識が必要になってきますが、最初はオクターブでのハモリがわかりやすいでしょう。

楽器によって出せる音域が違うので、音程の動きが少ないフレーズで十分です。

再生音としっかり合わせられればリズムキープはもちろん、楽器や声のコントロールも出来ているという事です。

4.違うリズムパターンでアンサンブル

4分なら4分、8分なら8分と維持し続けるのも難しいですが、”違うリズムを聴きながら”自分のリズムを守るのは更に難しいです。

特にシンコペーションが含まれているフレーズには、アンサンブル時につられ易い傾向があります。

録音時も再生時も、元となる一定のリズムをしっかり守る事がアンサンブルを崩さない大前提です。

どうしてもうまくいかない場合はメトロノームを併用して録音してみましょう。

5.応用編:ステレオ感からモノラル感を作る

もし音楽用の録音機材やソフトを持っていれば、更に精度の高い練習が出来ます。

やり方は、

  1. フレーズを録音
  2. 録音した音を左か右かにパンを振る
  3. 同じフレーズを重ねて録音
  4. 先の音とは反対にパンを振り再生して聴く

というのを繰り返します。

一瞬でもリズムがずれていれば、まるでコーラスが掛かっているようなサウンドになります。

しかし完全にシンクロした時はパンを左右に振っていてもモノラルに聴こえます。

難しいフレーズであればあるほどこのモノラル感を出すのに苦労しますが、しっかり演奏出来ているという証拠になります。

また”音が合っている”状態を自分で作り出せた時はとても楽しく感じられるものです。

基本的には4つ目までの練習で十分ですが、レコーディングが上手くなりたい人やよりタイトなリズム感を求める人は、5つ目の練習も地道に継続すれば感覚が研ぎ澄まされていくでしょう。

演奏時の体や気持ちの調子によって大きく影響が出てしまわないようになるのも、地道な訓練が必要となるのです。