読譜の苦手な理由、難しいと感じさせる原因

楽曲を演奏する場合、楽譜を頼りにせずひたすら耳と体で覚えて弾く方法があります。

メリットとして、練習に集中しやすい(目が疲れにくい)という点があります。

ただし曲をしっかり覚えないと弾けないというデメリットがあります。

逆に楽譜を読んで演奏すれば、知らない曲でもすぐに合わせられたり録音できるというメリットがあります。

楽譜をスラスラ読む事そのものに慣れないといけませんが、ポイントを押さえておけば新しい曲にも対処しやすくなります。

主にどういった点が読譜を難しく感じさせるているのかを述べていきます。


・止まってしまう主な理由

・知らない記号で混乱する

楽譜を読み始めた頃は様々な記号やルールを覚えていきます。

音符や休符、楽器独自の演奏法の記号や表現方法を示す記号などです。

一つでも知らない記号に出くわしてしまうと混乱しますので、事前に調べておけば対処できます。

・リズムが読めない

記号の意味と似通ってますが、パッと見でリズムがわかるのは意外と難しいのです。

聴いた事のある曲なら適当に思い出して弾いてしまえたりはします。

しかしシンコペーションが複雑だったり、一定のテンポ感を持っていないと他のパートに釣られてしまう事も多々あります。

付点やタイは読譜初心者には難しいリズムなのでゆっくりと確認しましょう。

・変化音に付いていけない

多くの楽器では五線譜を読む事になります。

タブ譜や数字譜で読めるような楽器でも、五線譜を理解していれば音楽の流れが掴めやすくなります。

しかし五線譜では変化音の問題があります。

小節間の音数が多く、なおかつ変化音(♯、♭、♮)が複数混じっていると正しい音の判断が忙しくなります。

変化音にもパターンがあるのが普通なので、似た曲の数をこなしていけば慣れていきます。

・和音の押さえ方がわからない

単純な和音だけなら問題なくても、普段あまり目にしないコードや変化音が含まれた和音は非常に認識し辛いです。

特にディミニッシュのようなコードは音楽の性質上、同じ音でも音符の並び方が違っていたりします。

コード例

ディミニッシュコード例 同じ音でも前後や調の関係で表記に差がある

また調号の関係上押さえ慣れたコードでも複雑に見えてしまうので、全てを網羅するのは非常に多くの曲に触れないといけません。

・手元の位置が曖昧になる

読譜を行う上でやっかいなのは手元を凝視出来ない点です。

笛やヴァイオリン属の楽器は手がほぼ見えないフォームなので耳を頼りにしますが、ピアノやギターといった楽器は視覚を頼りにしてしまいがちです。

もちろんそれが悪い事ではありませんが、読譜の時は自分がどこを押さえているのかわからなくなってしまうと演奏が崩れてしまいます。

読譜をする上ではまず楽器の操作そのものに慣れておくというのが大前提になります。

・休符の多いリズムは困難

リズム面でも細かい休符が多いリズムパターンは、なおさら把握しにくくなります。

理由は”拍の頭がわかりづらい”からです。

リズム例

リズム例 拍の頭が見づらいパターン

もちろんこれもある程度は慣れていくものですが、”思い込み”で間違った解釈をしてしまう危険性があるので注意しましょう。

・瞬間記憶力が高い方が有利

読譜の得意・不得意は瞬間記憶(短期間記憶)とも関係があります。

全ての記号を理解できたとしても、素早い速度で次々と処理しつつ演奏していかなければなりません。

楽譜の先を常に見ておき、何を演奏するのかをギリギリまで記憶して初めて曲として成り立ちます。

また単純に楽譜が読み取りにくい(楽譜が小さい、視力が悪い)場合、内容を認識できなくて演奏できない事もあります。

基本的には”数をこなす”というのが読譜の訓練には必須ですが、演奏出来ない部分をそのまま放っておいても上達できません。

なので以上の点から”どういう理由で手こずっているのか”を把握するのも立派な練習となります。