三和音と四和音だけでも骨組みは十分

コードの組み合わせ方はいくつもあります。二つの音程だけを組み合わせた響きには特にコードネームは付けられていません。

三つ以上の音程の場合は組み合わせ方でコードネームが付けられています。名前と響きを一致させれば耳コピや作曲・編曲に役立ちます。


・コードネームが付いていない和音もある

Cコードはドミソ、Gコードはソシレ、Amコードはラドミの和音です。これらのコードは響きがわかりやすく、鼻歌を歌ってもよほど不思議な音楽で無い限りは自然と連想される響きです。

同じ三和音でもドレミの和音や、シドレ♭の和音などは不協和音の塊なので名前が付いていません。

しかしオクターブの順序を変えたりした場合は、複雑な和音の一部分を省略して鳴らしたコードとしても認識できます。曲の流れや違うパートの響きも合わせて判断するしかありません。

・メジャーコードとマイナーコード

メジャーコードは基準音程から長三度と完全五度の音程を合わせた三和音です。

ファが基準の時はファラドです。ラが基準ならラド♯ミです。長三度や五度音程を確かめたい時は、基準音から半音の数を数えてあげればわかります。ドから見て半音4個分が長三度のミです。レ♯から見れば長三度はソになります。

マイナーコードは基準音程から短三度と完全五度の音程を合わせた三和音です。メジャーコードとマイナーコードの違いは三度の音程が長三度か短三度かだけです。

つまりメジャーコードの音程を覚えれば、マイナーコードの音程もすぐにわかるようになります。楽器をやっている人は手の形で覚えてしまいますが、知らない形が出た時に考え方を知っていれば応用で作れるようになります。

音符画像

三和音のみのフレーズ例

・その他の三和音

メジャーとマイナー以外にも三和音はあります。

  • sus4(サスフォー、基準音から見て完全四度と完全五度を合わせた和音)
  • aug(オーギュメント、基準音から見て長三度と増五度を合わせた和音)
  • dim(ディミニッシュ、基準音から見て短三度と減五度を合わせた和音)

基準から見ての組み合わせを丸覚えするよりも、メジャーコードやマイナーコードを基準にして、差を覚えてしまう方が楽です。

例えばsus4ならメジャーコードの長三度が完全四度に変化した和音と覚えます。最初は大変ですが慣れれば他のコードを覚えるのも楽になっていきます。

・四和音は七度音程の付加

三和音の響きを把握したら四和音も覚えていきます。四つの音程を組み合わせれば四和音と呼んでも間違いではありませんが、基本的にはメジャーコードかマイナーコードに短七度か長七度のどちらかを合わせた音がよく使われます。

例えばCに短七度を組み合わせればC7(シー セブンス)という名前になります。Cmに長七度を組み合わせればCmM7(シーマイナー メジャーセブンス)という呼び方をします。

組み合わせる音程と名付けのルールは丸覚えするしかありません。しかしルールさえ覚えればコードネームから使われている音がわかるようになります。

音符画像

四和音のみのフレーズ例

・響きの曖昧さ

上記の四和音は単純なメジャーやマイナーに比べて響きが曖昧なものもありますが、音程を分解して考えればおおよその雰囲気はコードネームと一致させられます。

C音を基準にバリエーションを把握してしまいましょう。

  • CM7(シー メジャーセブンス)はドミソシの和音。ミソシの音程はEmの響きも連想させるので単純に明るくは無い響き。
  • C7(シー セブンス)はドミソシ♭の和音。ミソシ♭ならEdim、ミシ♭だけでも減五度の和音なので不安定感を演出する響き。
  • Cm7(シーマイナー セブンス)はドミ♭ソシ♭の和音。ミ♭ソシ♭でE♭メジャーコードを連想させるので、さほど暗くは無い響き。
  • CmM7(シーマイナー メジャーセブンス)はドミ♭ソシの和音。ミ♭ソシでE♭augコードの響きを持っているので不協和感が特に強い。

耳コピをする時などは、三和音だけで探してみても調和感を得られる時があります。しかしいまいち響きに曖昧さがある場合は四和音か、それ以上の音程から成っているコードの可能性があります。

・四和音は全て三和音にしてしまう

コードの響きだけでも楽曲の雰囲気はガラっと変わります。単純な三和音で作った曲と、四和音やその他のコードも含んだ曲とを比較する場合は、とりあえず三和音だけで組み立ててみれば良いのです。

例えばEm7→Am7→FM7→G7というコード進行なら、Em→Am→F→Gと比較してみれば雰囲気の違いが顕著にわかります。

欲しい雰囲気によって、三和音が良いか四和音が良いかはその曲次第です。これらのコードで組み立てるだけでも十分良い音楽が生み出されているのです。