月謝制と回数制です。
音楽教室も習い事なのですが、”受講時間そのものを楽しむ為” “自分だけでは得られない刺激の為”などといった習い方があります。
これから音楽教室に通いたい方や、通っているけれど時間や料金の見直しをしたい方はメリット・デメリットを把握してコース選択の基準を設けましょう。
複数の選択肢が用意されていない場合は、無理せずに通わず違う教室を選ぶのも音楽を楽しみ続ける秘訣です。
・教室側から見てのメリット・デメリット
多くの教室では基本は月謝制で、特別に回数制コースを設けているというパターンが多いです。
本業では無く副業的に講師をしている人や、個人教室などでは回数制もよく採用されております。
月謝制の場合
- いつどの生徒が来るのか把握しやすい(曜日時間指定の生徒)
- 生徒都合によって欠席した場合はレッスン料金だけを受領できる(振替などの規定による)
- レッスン進度の計画を立てやすい
- 生徒の練習量によってレッスンの内容にブレが出来る
- 生徒の状況変化(進学や転職、部署異動や出張なども)で辞められる可能性が高くなる
回数制の場合
- 意欲的な生徒なら短期間で多くのレッスンをこなし収益を大きくできる
- 生徒の状況変化も様子見しやすい
- 生徒の練習量によってレッスン頻度にバラつきが出てくる
- 講師の都合によるレッスン日変更などを生徒に相談しやすい
という特徴があります。
個人的なライブなどを行っている講師にとっては、回数制が立ち回りやすいです。
継続的な収益になるのは月謝制なので教室運営には有利ですが、融通の効きやすさが減ってしまいます。
・生徒側から見てのメリット・デメリット
月謝制が多いのは教室側の都合でもありますが、生徒側にとっても向き不向きはあります。
月謝制の場合
- 定期的にレッスンを受けるのでモチベーションに繋がる
- レッスン予定を都度決めなくて良い(曜日時間指定コース)
- 損しないように練習する可能性がある(追い込まれる感が拭えない人も)
- レッスン振替や日時変更の融通が利きにくい
- 講師都合での代替レッスンや時間変更に合わせなければならない場面がある
回数制の場合
- 自分のタイミングでレッスン日時を選びやすい
- 集中して受けたい時や期間を空けたい時も融通が利きやすい
- 料金と回数に差がでにくい(キャンセル対応等は教室の規定による)
- お試しで受講したり明確に学びたい事だけで利用できる
- 継続して受けたくても予約が埋まってしまっている場合がある
普段から予定をよく立てる人には、空いている日時を設定しやすいという面で有利です。
必ず毎週受講したいという場合でも、その分の料金を先払いしてしまえば月謝制と同じように継続利用する事も出来る可能性が高いでしょう。
・振替の有無や内容は要チェック
受講料は基本的に先払いなので、生徒側が損しないように振替制度を設けている教室もあります。
しかし振替料やキャンセル料の設定は教室によってまちまちです。
社会生活を送っていると規則的な時間で動けず、何かと急な予定が入ってしまう人も少なくありません。
気軽に入会してレッスンを受けたいという人にとっては、時間調整や環境変化の見通しが立てられるかといった不安があります。
回数制を導入している教室の方が、生徒にとっては良心的な運営だと言えるでしょう。
月謝制のみだとしても、仕組みをしっかり理解した上で入会するようにしましょう。
「入会金の割引キャンペーン中で入会したけど、時間が合わなくなったから辞めようと思ったら割引分の差額を請求された」
といった声を聞いた事もあります。
システムを複雑にする理由は、利益を死守する為に生徒に不利な条件を多く用意しているからです。
”わかりにくい制度”の教室は避けた方が無難でしょう。
・退会や休会の条件も考慮
回数制なら払った分の回数を受けるだけなので、退会したいと思ったら回数を消化するか残り分は捨ててしまえばいいだけです。
しかし月謝制の場合は引き落としになっている教室もあるので、転勤などでもう通えなくなると決まっても先払いしてしまうケースがあります。
また電話やメールで伝えただけでは退会処理されておらず、数ヶ月にも渡って引き落とし続けられていたという話もあります。
その場合教室側は「規約に載っているので返金には応じられない」といった主張をする可能性もあるので、月謝制のシステムをよく理解しておきましょう。
全体的に見れば回数制の方が生徒にとって有利な条件ですが、教室運営の為には月謝制は必要とも言えます。
双方にとって納得のいく形で楽しくレッスンを受けられれば問題ありませんが、余計なトラブルにならないように制度を確かめる事も怠らないように注意しましょう。